さむ・ロイド「善人による完全犯罪」を読みました。

- 善人による完全犯罪 (ハーパーBOOKS)
ハーパーコリンズ・ジャパン
本
とても面白かったです。
家族と暮らすジョゼフは、夜中に不穏な音を聞いて1階に降りると、そこには血まみれになった息子のマックスがいた。いつもと違う様子のマックスを問いただすと、マックスは人を殺したと打ち明ける。
マックスは医学部への進学を控えており、息子の将来を考えて、ジョゼフは遺体をこっそり山に埋めることにする。
山に埋めて帰宅したところ、マックスが再び変な様子で、さらにその横には別の遺体があり・・という話。
怒涛の展開が続くので、読んでいて休む暇がありません!
中盤までは、映像化したら面白そうな話だし、すでにアメリカなどでB級映画として存在していそうな話だなと思ってたんです。
ネタバレになりますが、ジョゼフがイノックという男を殺した時点で、なんだこれ、めっちゃ陳腐な展開になっちゃったよ・・がっかりだなって思ったんです。
でもそれは私の読みが浅かっただけでした・・!
そこから大きなどんでん返しがあり、さらに面白さに拍車がかかりました。
ブラックユーモア的な話だから、新鮮みがないと思ってましたが、それも間違い!
ちゃんと新しい風が吹いている作品でした。
キャラ設定がとても練られていて、主人公のジョゼフは、今は4人家族なんです。ジョゼフと実の息子であるマックス、そして再婚した奥さんと連れ子である娘のティリーと家族を成している。
後からはっきりわかるけれど、前の奥さんは強盗に殺されて、その時の辛さや後悔をジョゼフとマックスはいまだに引きずっている。
さらに今の奥さんとティリーも、前の2回の結婚は不幸な形で終わっています。
これが匂わせのように、少しずつ小出しで描写されているので、ジョゼフたちの考え方が普通と違うのも納得させられます。そういうところが凄いなあと思いました。
普通に何のトラブルもなく暮らしてきたら、こういう決断をするまえに、ブレーキがかかるんじゃないかと思うから。
そして被害者となった人たちも、同情できないなという背景があるのが面白い。
最初に殺された男の恋人も、最後は良かったねという展開です。
めでたしめでたしで終わらないところが面白くて、これからもジョゼフは家なのにゆっくり休めない生活が続くんだろうなあと。
でもジョゼフは簡単にやられるような人間じゃないから、この家族はこのまま暮らしていくのかも?
ミステリでもありホラー要素もあり、とても面白かったです。
終盤は怖いと思ったようで、私はこの本を読んだ後、悪夢を見ました。
単純な性格です・・






