貴志祐介「悪の教典・上」
貴志祐介「悪の教典・上」を読みました。

- 悪の教典 上 (文春文庫 き 35-1)
- 文藝春秋
- 本
面白かったー!
映画化にもなって、色々問題作とか、過激な作品だと話題になっていたことは知っていました。だからこそ、その前評判が強すぎて、なかなか読むことができず・・
でもいつかは絶対に読もうと思っていた作品だったので、新年から読み始めました。
どれだけ怖いんだろう、夜眠れなかったらどうしよう・・と構えて読み過ぎたせいか、いや・・フツーにただ面白いだけだね、というのが最初の感想。
おそらく、発売当時はまだまだサイコパスが主人公の小説って少なかったから、衝撃が大きかったのかもしれない。
最近では、結構サイコパスが主人公の作品は増えてきているから、驚きが少なかったのかな。
ここ最近サイコパスが主人公で面白かったのは、白井智之さんの「エレファントヘッド」がダントツですね。これは読んだときに、脳みそがでんぐり返ったくらいの衝撃がありました。

- エレファントヘッド (角川書店単行本)
- KADOKAWA
- Digital Ebook Purchas
さて、この作品ですが、高校教師の蓮実が主人公ですが、生まれながらのサイコパスで自分中心に生きている。
そんな教師が高校教師をしているっていうアイディアが面白い。
そして自意識過剰な高校生や、人間としてどうかと思う同僚の中で、裏工作をしながら自分本位の流れにもっていくという話。
そのためには殺人も辞さないんだけど、何となく蓮実という男を憎めないのが、作家の力量なのかもしれない。
大体、蓮実が邪魔だと思う存在の教師は、みんなにとっても邪魔だと感じる人であったりする。
そして時には本当に生徒想いなんじゃないか?と思わせるような行動をとることもあって(実際には違うけど)、その緩急のつけ具合が絶妙。
あと蓮実の中学時代の同級生の女の子が自殺し、その子に乱暴を働いていた男を殺害した部分なんて、蓮実は自分では気づいていないけれど彼女のことが好きだったんだろうなと匂わせるところとか、何かほろりと読者に感じさせるんだよね。
サイコパスだけど、それでも人としての感情が残っている、そういうところに人間って弱いから~いやー、貴志作品はさすがですね。

でもまだまだ上巻だから、油断はできない。
映画の予告だけをちらっと見たけれど、これから怒涛の展開みたい・・?どうなるんだろう~続けて読みます。
映画も気になるけれど、色々改変されてそうなところが気になるんだよなあ。
キャストは生徒役に二階堂ふみさんとか染谷さんを起用しているところがさすがというか、見たいと思わせるんだけど、登場人物の年齢とかいじられていそうなところが引っかかる。
まあ下巻を読んでみて、映画を見るかどうか決めよう。

