貴志祐介「悪の教典・下」
貴志祐介「悪の教典・下」を読みました。

- 悪の教典(下) (文春文庫)
- 文藝春秋
- Digital Ebook Purchas
面白かったー!
上巻から一気読みでした。満足!
上巻から少しずつ蓮実の不穏なところが明らかになってきたけれど、一人を自殺に見せかけて自分のアリバイを作ろうと思ったものの、失敗してもう一人を殺してしまう。
もうこれ以上は隠せないな・・と判断した蓮実がとった行動が、「木の葉を隠すには森の中」戦法。
いや・・一気に飛躍しすぎだろうというツッコミは置いといて。
そっから生徒全員殺そうという殺戮シーンになるけれど、この部分が映画では協調されていたような気がしました。
でも自分的には、そういうシーンは特に怖くもなく、それよりも蓮実のアメリカで働いている時代のところがすごく気になった。

アメリカで有名投資会社で働いていた蓮実は、上層部の不正を知って、その利益を横取りしてやろうと目論む。
その罪を同僚に押し付けて、蓮実は自分だけ利益を得ようと画策したものの、上層部に見つかってアメリカから追放。アメリカには入国すらできないようにブラックリストにのってしまう。
その時の描写で、上層部が、蓮実に対して自分たちは狼で、蓮実のような日本人は羊だと思っていたと語ります。
でもその認識は間違っていて、蓮実は羊の中に紛れ込んだ、共食いも辞さない羊だということ。
この描写、凄い怖いな‥と思った。
狼が羊を襲うのは自明の理、でも羊が同じ羊を共食いするって、めっちゃ怖い!
ここが凄く怖くて、私の中では殺戮シーンは吹っ飛んだ感じでした。

かといって、読んでいると、蓮実はちゃんと捕まるんだろうな?罰せられるんだろうな?と気になって仕方なく。
生き残った2人(もう1人はちょっと別)が証言をしても捕まらないんじゃ・・と悔しさを匂わせといて、友達を助けるために使ったAEDに録音機能が備わっていたという素晴らしいオチ。正義は勝つんだ!という爽快感がありました。
ただあの蓮実だから、死刑回避とか、色々画策しそうな余韻が残りましたが・・でも最後はすっきりした感じで終わってよかったです。
面白かったな~!