恩田陸「不連続の世界」

ピーナッツ

恩田陸「不連続の世界」を読みました。

不連続の世界
不連続の世界
幻冬舎
Digital Ebook Purchas

多聞シリーズ第2弾。


第1弾は、「月の裏側」


先月、多聞シリーズ最新刊の「珈琲怪談」が発売されました。

珈琲怪談 (幻冬舎単行本)
珈琲怪談 (幻冬舎単行本)
幻冬舎
Digital Ebook Purchas


「不連続の世界」、面白かったー!

こちらも12年前に読んだのですが、例にもれず、完全に記憶から消去されていました。


しかし面白い本というのは、時代を経ても、面白いもんです。


今回は、5編収録。

どれも面白かったのですが、特に気になったのは、3つ。

「木守る男」は、バブル崩壊後、失われた10年と言われるようになった時代背景が垣間見える。

バブルって、実際に経験をしていないから理解できないことが多いんだけど、そんなにお金が有り余っている時代だったのかなあ?

タクシー券とか溢れてて、何でも経費で落ちて、ブランド品に全身かためて・・とか聞くけど、都市伝説じゃないの?って思っちゃう。

私の中では、バブルといえばフジテレビって感じなんだけど(笑)


一番怖くて面白かったのが、「悪魔を憐れむ歌」。

ラジオから流れてきた哀愁ただよう女性シンガーの歌を聴くと、人が死ぬという奇妙な噂が流れる。

ただの流言だと忘れかけていたが、別のところでもその話を耳にして・・という最初から不穏全開なところが最高。

そして真実に近づいていくんだけど、田舎に住んでいる名士とされる当主がとても怖い。

そんな当主に認められる多聞って・・・^^


そして一番じーんと来るのが、「夜明けのガスパール」

いい歳をした男たちが、さぬきうどんを食べに行くことを口実にしながら、寝台車に乗り込んで怪談話をしようというもの。

でもその裏に隠されたものが、切ないというか何というか・・・

多聞シリーズを読んでいると、多聞が「流され侍」な性格であることが十分にわかる。

柔軟性があって、何でも受け入れて自分の中で受け止めて消化するという、稀有な存在。

でもそんな多聞だけど、本当に大事な人を失うということになったら、パニックを引き起こして記憶まで改ざんしてしまうの。

人間らしさが多聞にもちゃんとあるのがわかる。

そんな多聞が、周囲に愛されているのもわかるエピソードで、これが最後に収録されているのが憎いなあと思っちゃいました。


新刊の「珈琲怪談」も続けて読む!