恒川光太郎「箱庭の巡礼者たち」

ピーナッツ

恒川光太郎「箱庭の巡礼者たち」を読みました。

箱庭の巡礼者たち (角川ホラー文庫)
箱庭の巡礼者たち (角川ホラー文庫)

KADOKAWA

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とても面白かったです!


大好きな恒川作品・・もうとても面白くてですね・・この本に出合えて良かったと素直に思いました。

恒川作品、どんどん進化しているので、魅了されてやまないです。


いくつかの作品が収録されているのですが、ほんのりリンクがあります。

1つ目の作品、「箱のなかの王国」

これはもうね・・すごいよ。

まだ読んでいない人は、いますぐに読んで!と言いたいくらいです。


急な豪雨が起こった後、主人公の内野くんは、ある箱を拾います。

その箱を開けると、そこには箱庭があって、王国を中心とした市街地や山など人びとが暮らす世界が広がっています。

内野くんは、同級生の絵影久美という女の子と、その箱庭を眺めながら過ごします。

その箱の中の世界では、色んな事件が起こるし、竜が生まれたり、森の中には吸血鬼まで存在しています。

ある時、絵影久美が、この箱庭の中に入る!と言い出します。

その理由はいくつかあるんだけど、1つには、その箱庭の街の中で、連続殺人が起こっているからでした。箱庭を外から眺めている2人には、その連続殺人の犯人が誰かもわかっている。

絵影久美は、これ以上犠牲者を出したくないと言い出し・・・という話。

絵影久美が箱に中に入った後の展開もとても面白い。箱の中と外での情景が描かれます。


そしてさらに続く章では、この話から派生するキャラクターが主人公になったり、SF展開もあったりして、とにかく壮大で凄い!


銀時計の話も面白いし、洞察者の話も最高。

洞察者の話、能力が高すぎるゆえに切ない部分もあるんだけど、自暴自棄になっていた人の人生を明るいほうに導くきっかけにもなったりして、とにかく面白い。

「最適解」という言葉よ・・数学者の間では普通の用語だけど、会話の中で出てくると怖いよ。

そして可愛らしいモックが、最後になるとどんどん怖くなってくる・・恒川作品の凄いところはこういうところだよね。

AIやアンドロイドが存在する世界、そして輪廻転生と、色んな要素がてんこ盛り。

私は輪廻転生の話が大好きなので、最後の最後まで楽しく読みました。

クインフレアは誰なのか、ルルフェルはどうなったのか・・疑問を残すことなく、きっちり話が片付けられていて、かなり満足度が高い作品でした。


ここまではまってくると、恒川作品・・・単行本だけでなく文庫本でも揃えたくなってきたぞ。