麻加朋「青い雪」

ピーナッツ

麻加朋「青い雪」を読みました。

青い雪 (光文社文庫 あ 74-1)
青い雪 (光文社文庫 あ 74-1)
光文社

面白かったです!
↑の表紙絵は文庫版ですが、単行本のデザインも綺麗だったので、載せられないのが惜しい。
日本ミステリー文学大賞の新人賞受賞作。
私はこういう新人賞の受賞作って大好きなんですよね~
粗削りだったり、改善すべきところが残っていても、作家さんの情熱が感じられるような気がするから。


主人公の寿々音は、生まれたばかりの頃に柊家の前に捨てられて、そこの子供として育つことになる。
周囲からは捨て子だといじめられることもあるけれど、両親の優しい愛に進まれて天真爛漫に育つ。
寿々音には、他にも優しくしてくれる人が多くて、1年に1回訪れる、心に傷を持った大介や、お隣りさんである議員先生の息子である秀平や希海とも仲良く過ごしている。
そんな矢先に、大介を連れて訪れる優しいお医者さん夫婦の娘が行方不明になって・・という話。


一応主人公は寿々音だけど、語る人の視点によって物事が俯瞰的に見ることができるので状況判断がしやすい。


全体的には面白いし、細かい部分まで伏線がしっかり回収される。
でも寿々音が、腎不全になったあたりから、ちょっと展開を詰め込みすぎじゃないか?と思ったのが正直なところでもあります。
大介が実は行方不明になった女の子がどうなったかを知っていたり、寿々音が双子だったり・・などなど。それはちょっと強引過ぎるなあと思っちゃいました。
あと最後の名前のアレは、私はやりすぎだなあと。
他の方の感想を見ると、そこに震えたっていう人が多かったんですが、自分はあまり好きじゃなかった。
元々、アナグラムとかも嫌いな人なので・・・(でも本格ミステリは好きだけど)


最後まで読んで、蓮見先生がどう考えても元凶でしょうと思った。
いくら優しい医者先生でも、好きな女性の一人を幸せにできなくてどうする。
若気の至りで済ませることができる範囲を超えている。
百歩譲って、子供を産ませるところまではOKだとしても、双子だったことを知らないとか・・アホなん?って思っちゃった。ノアが自殺したことにも疑問に思わなかったんだろうか。
あともう一人は知らないにしても、寿々音が自分の子供だと知っていながら、今の奥さんを連れて(奥さんはOKしていたんだけど)、新しく出来た子供を連れて会いに行くなんんて・・
隠すなら徹底的に隠せ!寿々音を中途半端に見守っているようなのは自己満足でしょう。
寿々音に移植するのも、自分の命があとわずかだとはいえ、何かやり方が・・いや。


でも楽しく読んだので、またこの作家さんの本を読みたいです。