白井智之「ぼくは化け物きみは怪物」

ピーナッツ

白井智之「ぼくは化け物きみは怪物」を読みました。



表紙絵はこれなんですが、帯を外すと・・

めっちゃ怖くないですか??

私夜眠る前に読んでいたのですが、絶対に表紙絵を下にして、見ないようにしてました。

ホラーとか大好きだけど、こういう絵にはビビってしまう・・。

あー、何度見ても怖い怖い。


そしてこの作品ですが、とても面白かったです。

白井さんはもうね・・天才であると同時に、奇才でもあり鬼才でもあると思います。そしてSFミステリ作家のような香りもするんだよね。

以前も「エレファントヘッド」という小説を読んだとき、よくこんなストーリーを思いつくなあ!読んでいて、脳みそがひっくり返ったわ!って思ったんです。


今回は5つの中編が収録されていましたが、どれもテイストが異なっていて、本当に同じ作家さんが書いたの?って思うくらいでした。どれも面白かったのですが、読む人を選ぶかもしれない・・私は大好きでした。

1作目は、子どもが主人公だし、ほのぼのしてるなと思って油断していたら、とんでもなかった・・・恐ろしい子。

2作目は実際にあった事件をふと思い出しました。家族間でわざと争わせて、殺し合ったり遺体を解体させるなど、狡猾な犯人が被害者を支配していた事件あったよね。あれを彷彿とさせるんだけど、舞台がSF的なのよ。

実験対象を選ぶ方法とか、すごい・・・って素直に思いました。

3作目は、くーっ!!楽しく読んでしまったじゃないかと悔しくなった。私は遊廓もの大嫌いだし、下ネタも嫌いだし・・だけどこの作品面白かった。

下品と言ってしまえばそれまでなんだけど、蔑む意図を持って書かれたわけじゃなかったからかも。最後は悲しいけれど、これはなかなかすごい作品だと思います。

4作目はこちらもSFミステリな感じ。今海外の古典SFミステリも同時に読んでいるんだけど、その匂いがしました。これもとても面白いです。視点が誰なのかというのか途中でわかるのも面白い。もしムリロとプージャが地下底に辿り着いたらどうなるのだろうか・・。

5作目。こちらもかなり冒険的な設定。よく書いてくれたなあと思いました。最後の最後はね・・切ないよね。異形の人なんて、存在しないよ。みんな生まれたままが一番美しくて、内面をどうするかは、その人の生き方や問題なんだから。


白井作品、はまる人にははまると思うので、是非一度読んでみて欲しい・・!とてもおすすめしたい作家さんです。