木原音瀬「探し物屋まやま」

ピーナッツ🌛

木原音瀬「探し物屋まやま」を読みました。

捜し物屋まやま (集英社文庫)
捜し物屋まやま (集英社文庫)
集英社
Digital Ebook Purchas

面白かったです。
木原さんが、一般小説にも進出をしたのは知っていたのですが、ここ10年、いや15年くらいかな?BL小説から離れていたこともあり、なかなか読む機会がなく。
でも3巻まで出たとのことなので、読み始めました。


第一章は、会社でのパワハラが原因でメンタルに支障をきたし、引きこもり状態になっている三井の視点。
一人暮らしで引きこもり状態だったものの、火事で焼け出されてしまい、途方に暮れていたところ探し物屋をしている和樹に声をかけられて・・という話。


「探し物屋まやま」は、和樹と血のつながらない弟の白雄、同じビルのテナントとして入っている弁護士事務所に勤める弁護士の徳広、そして拾われた三井の4人が主要キャラ。
4人ともそれぞれ癖のあるキャラでありながら、少しずつ仲良くなっていくところが心地よい。
面白いのは、引きこもっていて社会不適合者だった三井が、2章からは4人の中で一番の常識人になっているところ。


基本的には、まやま兄弟(特に弟)が、特殊な能力を持っているので、それを中心に巻き込まれる事件を解決していくという展開。
サクサク読めるし、ストーリーがそれぞれ微妙な塩梅で毒を持っていたりするので、そういうところが木原さんだなあと思わせます。
ただ、挿絵がな・・挿絵そのものはいいんだけど、表紙にバーンとアニメ柄のようなイラストはちと・・・
以前、アニメ系の絵柄が表紙だと本を手に取ることすらしないという議論があったけど、自分はそんなことはないけれど、少しわかるような気がする。
まあ10代の子らにとっては、手に取りやすい効果があるのかもしれない。



以前に、BL小説にはまっていたときは、本当に狂ったように1日2冊とかずーっと読んでいたのですが、いつの間にかふっと飽きたんですよね。
あれって何なのかなー、その前は韓ドラにはまってて、それこそMBS,SBS,KBS(そのころはまだケーブルTVドラマとかあまりなかった)の全局のドラマをコンプリートしてみてました。しかも朝ドラとかまで。はまるととことん、でも一気に冷め期が来て忘れちゃうんです。
でもBL小説は、買いだめしたものもあるし、ここ数年のうちに早く読み切ってしまいたいと思っています。
そのBL小説、数えきれないくらい作家さんがいますが、木原さんは超有名ですよね。
私も大好きな作家さんで、同人誌もかなり持ってます。小説は全部持っているかも(10年くらい前に発売されたものまで、ですが)
さいきんのBL業界はどうなってるのかな?全然チェックしてないのでわからないけど、ここ数年は一般の進出される作家さんも多くて、楽しみが広がります。
それぞれの作家さんは、文体の癖もあるし、得意分野とかもあるし、その違いを楽しむのも醍醐味。
BLから一般に進出して、かなり成功している一穂ミチさんと凪良ゆうさんは、元々、BL界に登場したときに、ザワついた才能の持ち主ですから、一般文藝でも認められるのは嬉しい。
他にも素晴らしい作家さん多いので、是非活躍してほしい・・
ちなみに、私が一番好きなBLジャンルでの作家さんは(本当は分類したくないんだけど)、夜光花さんです。もちろん木原さんも好き、七地寧さんや、うえだ真由さん、遠野春日さ、崎谷はるひさんなど数え上げればキリがない・・書いていると、また読み返したくなる無限ループ・・いかんいかん。。

澤村御影「准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと」

ピーナッツ🌛

澤村御影「准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと」を読みました。

准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと (角川文庫)
准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと (角川文庫)
KADOKAWA
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シリーズ第3弾、面白かったです!


1つ目は「何人にこの手紙と同じ内容のものを送ってください」という不幸の手紙の話。
不幸の手紙って、忘れた頃に再び出てくるというイメージがあります。
私は受け取ったことがないけれど、5年くらい前かな?
母親が、友人からメールでそういう内容のものを受け取り、もちろん誰かに送るということはせず放置していましたが、その後、友人から「あんなの送っちゃだめだと他の人に言われたの、ごめんね」という連絡がありました。
そのメールには、送らなければ不幸になるとは書かれていなかったけれど、そういうのってまだあるんだなあと少し驚きました。
その友人は、とにかく天然さんなので悪気は一切ないのはわかっていますし、ごめんねと心から謝罪していました^^;
私なんて、アホかの一言で片づけるタイプなので、もちろんスルーですが、子供だけでなく年配の人でも騙される(?)ことってあるのね。


2つ目は、図書館のマリエさんの話。
少しロマンチックだけど切ない結末。
ドラマでは司書役が松本若菜さんでした。(ドラマを見たのに忘れていたので、調べて気づいた)
話は変わるけど、松本若菜さんって本当に美人よね~


3つ目は、鬼伝説の話。
民俗学を絡めた話には、六部殺しがよく出てきます(三津田信三さんとかも)。
昔はよくあったんだろうなと思います。
現代では、田舎に旅行に行くとかよくあるけど・・もしかして今も怖いことなのか?なんて思ったり。


そして嬉しいのが、健ちゃんと高槻准教授の子供の頃の話がエキストラで収録されていたこと。
健ちゃんがなぜ幽霊を怖がるのかわかりましたが、もしかして霊感があるのでは?
高槻准教授の子供の頃がもうメロメロに可愛くて可愛くて・・そりゃー過保護になるわな!と納得しました。

くわがきあゆ「初めて会う人」

ピーナッツ🌛

くわがきあゆ「初めて会う人」を読みました。

初めて会う人
初めて会う人
産業編集センター
本

うーん、面白かったのか、微妙だったのかよくわからない読後感です。
文章はとても読みやすく、キャラ設定も作者ならではのサイコな人ばかりで面白い。
ただ展開や、動機が唐突なところが毎度少し気になりますが・・・


第1章は、令祥視点。
令祥は、会社の先輩になった工藤三鷹に心酔して、彼になりきろうとする。
この展開はサイコそのものなんですが、人のマネをする人って一定数いるような気がする。


第2章は、デキる女理央視点。
理央は自分の正義を振りかざしつつ、周囲を傷つけることもいとわない。
一方で、何でも言うことを聞く工藤三鷹を振り回している。
理央のキャラは私は結構好きだけどな~まあ自分勝手で、この女のある意味とんでもないサイコです。


第3章は、工藤三鷹の父親視点。
早期退職をしてのんびりした老後を過ごそうとしたら、細やかだった妻が物ぐさ状態になって家はゴミ屋敷になってしまう。離婚を考えだした矢先に・・・という話。


章ごとに視点となる主人公が変わるんだけど、そこより大きな枠組みで、いくつか殺人事件や行方不明事件が起こるので、誰が殺されて誰が犯人なんだ?と推理する楽しみがあります。
でも結局、この本が言いたかったことは、最後まで読んで「タイトル」を読むと、ああそういうことだったのか・・とわかる仕組み。
いやー、ここまで書いておいて、でも何か微妙なのよ。面白いけど、微妙っていうのが自分でも不思議。
結局、犯人の動機は過度なマザコンというか、母親崇拝なんだけど、その要素が唐突に出てきたような気がして、そういうところが微妙かな・・と・


だけどこの作家さん、好き・・・です。
作品出たら、読もうと思うので、是非どんどん書いて欲しいです。
以前の作品の感想でも書いたけど、絶対にうならせてくれるような作品が出てくるはず。
期待大です!!

リチャード・シャタック「こうのとり狂騒曲」

ピーナッツ🌛

リチャード・シャタック「こうのとり狂騒曲」を読みました。

こうのとり狂騒曲 (創元推理文庫 M シ 7-2)
こうのとり狂騒曲 (創元推理文庫 M シ 7-2)
東京創元社
本

まあまあの面白さでした。
リチャード・シャタックは、日本では「ハネムーンの死体」とこの2冊しか翻訳されていないようです。

ハネムーンの死体 (創元推理文庫 M シ 7-1)
ハネムーンの死体 (創元推理文庫 M シ 7-1)
東京創元社
本

どちらかというと、「ハネムーンの死体」のほうが面白かったかな。


どちらも魅力的で癖のあるキャラクターばかりで、みんながドタバタと走り回るので、読んでいて爽快感が楽しめます。


今回は、サンディが癖の強い叔母さんと一緒に、ある屋敷を訪れるけれど、そこが吹雪になって帰ることができなくなります。
その屋敷には魅力的な男性ロバートがいて、サンディは惹かれていくのだが、そこで弁護士が殺されて・・という話。


殺人事件なのに、コメディなので全く悲壮感なし!
ウィットに富んだ会話と、それぞれが振り回すような行動をとるので、ミステリを読んでいる感じがしない。


結局、サンディの叔母さんは過去の出来事を知っていて、弁護士から大事な書類も預かっているし、それならもっと早くいってよーというツッコミで終わる感じでした。
まあまあの面白さでしたが、ちゃんと楽しめたようにも感じる。


原作は1941年に発行されたという古さ!
でも古さを感じさせず、もっと読みたいなと思う作家さんでした。

くわがきあゆ「焼けた釘」

ピーナッツ🌛

くわがきあゆ「焼けた釘」を読みました。

焼けた釘
焼けた釘
産業編集センター
Digital Ebook Purchas

面白かったのか、微妙だったのか、判別が難しい作品でした。

レモンと殺人鬼 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
レモンと殺人鬼 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
宝島社
本


著者のデビュー作で、「レモンと殺人鬼」がこのミステリーがすごいで大賞を受賞したこともあり、「焼けた釘を刺す」というタイトルになって最近文庫化されています。

焼けた釘を刺す (宝島社文庫)
焼けた釘を刺す (宝島社文庫)
宝島社
Digital Ebook Purchas

私が読んだのは、ハードカーバーのものです。
宝島社で揃ったんだな~続編ではなく、少し修正が入っているだけらしいです。



そしてこの作品、すごい読みやすいし、面白いともいえるんだけど、微妙でもある。
面白いのは、読んでいて自然と思い込んでしまっていたことが覆されるという快感。
微妙だと感じたのは、犯人の動機が突然出てきたように感じたから。
あと、「レモンと殺人鬼」を読んだときにも思ったんだけど、キャラが良く言えば魅力的でもあるが、そうでない言い方をすると結構思い込みが激しいというのか癖が強い人が多いことで、いかにも作り上げた感じがするということ。
レモンと殺人鬼でもウシワカに魅了された犯人で、ウシワカになぜそこまで?という説得力のなさが気になった。
今回は、主人公の千秋が、世間では常識と思われていることの反対が、自分の中で標準軸になっていたので、そこを受け入れられるかににょって読者の感想は違いそう。
私は、ああこういう考えの人もいるよね・・と思いつつ、でもそれを愛されるという表現にするのが微妙にずれた感じがして。
だって結局は、究極の愛って死ぬってことでしょ?まあ最後は殺すんだけど、でもその過程が自分には理解できない・・やっぱり受け入れられないってことかな。
でもこの作者さんって、こういうテーマというか、サイコな考えの人が標準っていうところがブレないので、今後も期待だし、何か少し化けたらとんでもない作品を生み出してくれるんじゃないのか?と楽しみにしています。