デニス・ルヘイン「シャッター・アイランド」
デニス・ルヘイン「シャッター・アイランド」を読みました。
面白かったー!!
YouTubeで、予告を見てから気になった作品。
映画『シャッター・アイランド』 予告

- シャッター アイランド (字幕版)
- Video On Demand
この予告を見て、これは面白そうだと原作をゲット。
連邦保安官であるテディは、妻のドロレスを放火により失っていた。
その放火を引き起こしたアンドルー・レディスという男が、シャッター島にあるアシュクリフ病院に隔離されていた。
アシュクリフ病院は精神を患っている受刑者が服役しているところで、そこにいる一人の女性患者が行方不明になる。その捜査をするため、テディは復讐心を隠し持ちながら向かうのだが・・という話。

ミステリよりも人間の心を描いた作品。
映画予告を見ていたので、こういう感じかな?と予想をしながら読みつつ・・
随所にあれ?と思うところもあったりして。
でもああ、そういうことだったのね・・と読んで納得。
何が真実なのか、誰が嘘をついているのかなと、考えながら読めるのが楽しい。
あと捜査の相棒であるチャックが魅力的で、もしこの人に裏切られたら・・なんて自分も絶望した気持ちになって読んだ。
最後は、原作は解釈が2通りあると思う。
映画の場合は、ネタバレになるけれど、テディは完全に自分が誰であるかをわかっていた。
だけどその記憶を持って生きるのは辛いから、自ら手術を受ける選択をする。
(このシーン、凄いね・・チャックのふっと止まるところとか、コーリー医師との目配せ、落胆のところとか)
原作は、映画と同じ解釈もできるし、もしかしたらまたテディに戻ってしまったのかもしれないとも考えられる。
映画独特のセリフがないから、読者に自由に解釈してくださいってことかな。
でも最後の章の前に、もうテディには戻らないって描写もあるし、やっぱり正気を取り戻していたのかな・・こういう余韻のある終わり方大好きです。
あ、そういや、私の大嫌いなアナグラムが出てきたが、この作品では全然OKだった。
殺人事件ではなく、暗号という形で出てきたからだろうな。
自然に受け入れられた。
やっぱり本格ミステリに出てくるアナグラムはおかしいと、再度確認。

しかし、人間の心って難しいね・・
許容できないほど辛いことがあるのなら、気が狂ったほうが楽なのかもしれないと思うのは理解できなくもない。
現実に生きてきて、私なんてぽややーんとしているから、99%は前向きに考えているけれど、たまにひどい事件とかニュースを聞いたり辛いことがあったら、なんでこんな辛い世界にみんな耐えられるんだろうと思うことがある。
たぶんみんな同じような感じで生きているんだろうけど。
この作品では、テディが辛いことを封印して勝手に物事解釈しているのに、チャックという相棒(本当は医師だけど)と行動を共にして、チャックが崖に落ちたのかと思ったら躊躇いもせずに崖を降りる。
そしてチャックを助け出して島を脱出するためなら、自分の命も投げ出すと考える。
そういう人間の優しさとか真摯さがあるのに、心の中には大きなものを封印しているなんて。
心と脳の複雑さとは何なのか、と考えちゃいました。

