水野梓「蝶の眠る場所」
水野梓「蝶の眠り場所」を読みました。

- 蝶の眠る場所
- ポプラ社
- 本
うーん、いまいちだったかな・・自分の考え方とことごとく合わなくて・・でも読書メーターで他の方の感想を読むと好評な意見が多い感じがしました。
中盤までは良かったんだけど、それ以降は、展開に少し都合が良すぎるのではないかというものが続いたり、あと色んなエピソードが詰め込まれ過ぎてて、正直辟易した。
共感色とか、ナチスとか、何か色んなところで聞いたことがある刺激的な情報を詰め込んだだけって感じがして、しかもそれがそんなに上手に調和されているようには自分は感じなかったので。
そしてまず何が合わないのかっていうと、死刑制度についての考え方かな。
小説家の考え方=作品の内容とは違うんだろうけれど、はっきり言って自分は死刑制度存続派だから。
よく死刑制度反対の人たちって、同じ人間が別の人の命を奪う権利があるのか、それは神の領域ではないのかって言うんだよね。この本では、死刑以外に、赦しという選択肢があるのではないかというのも。
でも私からすると、そんなものはない。
神様という存在はいないし、人の命を死刑制度で奪う権利はないっているのなら、それなら被害者はどうなるの?って思っちゃうんだよね。
秩序を保つためではなく、自分は個人個人を大事にしたいから、もし被害者がいたのなら、加害者に相応の罰を与えるのは当然だと思う。
もし刑が執行されたとしても、遺族はむなしいだけっていうけど、私はそれも違うと思う。
自分の幸せや大切な人を奪ったという存在自体が、この世にいることが怖いし、執行されることでこの世からいなくなるのなら、それだけで心が平穏になると思うから。
冤罪がテーマになってるけど、この小説に限らず、そういうテーマの小説は多いんだけどさ・・この時代にそぐわなくない?っていつも思う。
数十年前ならいざ知らず、今は状況証拠だけ積み重ねたもので極刑が出ることってないだろうし、最近凶悪な事件が起こっても、あの犯人なぜ極刑にならなかったの?って驚かされることが多くない?
そういう時代だから、こういう冤罪は起こらないだろうなーって思っちゃうので、そういうのもあってはまれなかった。
あと警察署長も、何だかなー。無罪の人を死刑に追いやったっていう気持ちがあるなら、ウジウジせずに、自らの生を決断すべきなんじゃないの?って思うし。
結子さんもんさー、育ての母親に虐待されて、引き取られた家では義父が極刑になり、義母が事故死、旦那が(偽装)精神疾患で入院、息子は自殺というこれでもかという不幸のオンパレード。まあ、実母、義両親、夫の不幸までは許容できるよ。だけど息子があんな幼い年齢で自殺したっていうのに、酒は飲んでて酔っ払ってはいたけど、最後結構あっさり立ち直っててさ・・そんなもの?
自分なら大事な子どもが、事故死ならまだしも、いじめによる自殺で死んだら、気が狂うけどな・・
昔近所に、40代くらいの女性がモンチッチっていう人形を持ちながらフラフラしててさ・・たぶん、小さい子供を亡くしたんだろうけれど、周囲は頭がアレになったって思ってたかもしれないけれど、自分は正気な人だったんだなって思ってたわ。
子どもを失うってそれくらいショックなのに、おかしくならないほうがおかしいって。
まあ、そんなこんなで、この本はことごとく自分には合わない要素が多かった~
でも文章は読みやすいし、展開スピードもいいので、他の作品も機会があれば読みます。