姜尚中「母ーオモニー」
姜尚中「母ーオモニー」を読みました。

- 母 ―オモニ― (集英社文庫)
- 集英社
- 本
姜尚中さんの本は2冊目かな。
姜尚中さんのお母様の人生を描いたもの。
今の時代も、色々国籍差別があるけれど、姜尚中さんのお母様の時代はもっと激しかっただろうな・・
しかも未成年の時に、日本に渡って結婚したとは・・考えただけで、当時の人達って強いなとしか思えない。
文字も読めずに、国籍が(当時は)朝鮮だったので、大変だったという言葉しかありません。お子様を栄養失調で亡くされて、そのことをずっと引きずっていたというのも・・切なすぎる。
祖母世代から聞いたことがあるけれど、全国各地に朝鮮人がいて、でも日本人と同じような職業につくことはできずに、多くが屑鉄拾いをしていたと。
姜尚中さんのご両親も、くず鉄広いをして生計を立てていたものの、周囲からは相いれない文化とかもあって冷たい目で見られていたのがわかります。
これは日本だけに限らず、日本も海外に移民した人たちは大変な思いをしてるんですよね・・異国に住むというのはこういうことなんだなあと思います。
姜尚中さんも朝鮮の血筋を持ったことで、周囲からの目が気になったと。その中で名前を日本名ではなく、姜尚中と名乗るのは勇気がいったと思う。
これハーフ(ダブル)の人たちが、自分は一体何人なんだと葛藤することもあるとよく言うけれど、日本と朝鮮は微妙な関係にあったから、それよりもしんどい気がします。
今の10代の子たちは、親世代がK-POPとか韓ドラとかに親しんでいるから、そういう差別とか偏見はないけれど、それ以上の世代はないとはいえないよね。
私の親もそうだったし、姉夫婦もぶっちゃけ右寄りなので、偏見あります。
姉夫婦は旦那の実家が、武道系の結構有名なものだし、姉は今防衛省関連に勤めてるし・・
一方で私は、幼稚園から公立ではなく少し独特な学校に行ってたんだけど、そこで出来た友達が韓国と日本のダブルでした。こっそりと私に、実は私には2つの名前があるんだよって教えてくれたんです。所謂通名と本名っていうやつね。幼かったので、その時はよくわからなかったんだけど、それが朝鮮の人と接した初めてのことだったかも。その子のお父様は医師だったことも大きいかもしれないけど。
だから国籍差別することって大嫌いなんだけど、一方で大人になると、国籍ってとても大事だとも思う。このジレンマよね・・
姜尚中さんが日本人と結婚したときにも反対されたようだし、朝鮮から見ても日本というのは複雑な相手だと思うので。
だけどこれはもう個人単位で判断していくしかないよね・・としか。
興味深かったのが、姜尚中さんのおじさんが、日本で憲兵になっていたこと。
しかも日本女性と結婚して子供までいたなんて。
戦後は韓国に戻って、ソウルでもかなり有名な弁護士になり裕福な生活をしていたと。
だけど最後はビジネスに失敗して孤独のまま亡くなった・・
これ、ドラマの題材になりそうなくらい凄いと思いました。
非の打ちどころのない裕福な人が、実は過去に後ろ暗いことをしていて殺された・・みたいなストーリー、どっかで読んだことある気がする。
おじさんの娘さん、日本のどこかで生きてるんだろうな・・
そう考えると、国籍とか血筋とか一体何なんだろうと考えちゃいます。