高橋三千綱「退屈しのぎ」

ピーナッツ

高橋三千綱「退屈しのぎ」を読みました。

退屈しのぎ (講談社文庫)
退屈しのぎ (講談社文庫)
講談社
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面白かったー!


高橋三千綱さんは、芥川賞を受賞した作家さんであり、少し前は闘病されていたという記事を読んだことがあったのですが、作品を読むのは初めて。

なんと昭和53年に発刊された作品です。


3編が収録された作品ですが、1作目の「退屈しのぎ」は群像新人文学賞を受賞した処女作とのこと。

処女作とは思えないほどの完成度と面白さで驚きました。そして文章が美しい。


特に私が気に入ったのが、2作目の「三人暮らし」。

アメリカで学生をしている千秋の、シェアハウスをしている様子が、とりとめとなく綴られている作品です。

物語の始まりが、ソファの形によりルームメイトがお尻から落っこちるというもので、なんだこれ!最初からとても面白いじゃないか!とびっくりしました。掴みが良い小説って、最後まで面白いことが多い。

バレエスクールの覗きもしているので、今の時代だとこれは論争を呼びそうな話でもあるんだけど、ルームメイト同士のグダグタしたところがとても楽しいです。

私もイギリスにいたとき、大学の寮に入っていたことがあるのですが、個室はあったものの、バスルームやキッチンは共用。ルームメイトは私の他に3人いたのですが、バスルームの使い方がね・・排水溝にたまった髪の毛を取らないんですよ!!バスタブはなく、シャワーだけだったんだけど、普通使い終わったら排水溝の髪の毛は取るでしょ?だけど毎回他の子が取らないのであふれてきますから、私かなりの頻度で掃除してました。何やってんだ。

そうしたらもう一人のルームメイトも同じだったようで、なんで他の子らは取らないんだろうねと話してました。やっぱり文化の違いとかかな。悪い子じゃないので、波風立てなかったけど、自分も日本人なんだなと思った瞬間でした^^

つまらないことや腹立つことがあっても、共同生活って振り返ると楽しい思い出が多いんだよね。


高橋さんは若い頃にアメリカに滞在していたことがあるので、その頃経験したのかなって思える話が多くて、読んでいて楽しいです。

今のアメリカとは違うんだろうけれど、当時のアメリカの雰囲気とか感じられます。


3作目の「おれたち」。

私、てっきりこれは同性愛的な話かと思って、半ばくらいまで読んでました^^

徹は志朗のこと、好きなんじゃないの?って(笑)

こういう奔放でくだらない生き方をしている人たちを読むのは楽しいです。

最近みんな真面目でね・・・手堅い人生だと思うものの、なんかつまらないなーって思います。