ソン・ウォンピョン「三十の反撃」
ソン・ウォンピョン「三十の反撃」を読みました。

- 三十の反撃
- 祥伝社
- Digital Ebook Purchas
面白かったー!
お気に入りの韓国の作家であるソン・ウォンピョンさんの作品。
「アーモンド」以外は全て読んでいる作家さんです。「アーモンド」が一番有名だと思いますが・・。
88年に生まれた主人公のキム・ジヘが、ただ生きていくだけなのに色々もがいていく話。
韓国の小説だけど、日本でも同じような事が起こっているので、共感できることが多かった。
特に「食べるために生きる」だけの生活は嫌だというの、めっちゃ共感!
だけど日本も最近そういう世知辛い感じがしてますね・・
日本は戦後、高度経済成長期を経てバブル崩壊など時間をゆっくりかけて変遷してきたけれど、韓国って日本からの植民地解放の後、北朝鮮と戦争して休戦中、さらに通貨危機など、日本よりもさらに時間をかけずに今に至っているから、そりゃ激動だなと思う。
大学受験や就職についても日本より厳しいからな・・10代後半から人生を諦めつつある40代までの世代は、色々考えちゃうと思う、
日本でも、今は共働きが主流で、子供が生まれても学童に入れるというのが普通になってきている。働いてお金を稼がないとっていうのはわかるんだけど、それって本当に食べるために生きる・・なんだよね。
自分はそういう線から離脱しているから、もっと好きなように生きているけど、姪っ子はまだ大学生にもなっていないのに、親がすでに公務員になることを念頭に入れてて。。大変そうってこっそり思ってる。

この主人公のジヘも、志望していた大学に落ちて、正社員にもなれず、もがいている。
そして同じようにもがいている人と、同士のような気持ちを持ちながらも、チャンスがあれば抜け出そうと思っている。こういうところ、すごいリアリティがあって、でもジヘだけじゃなく、みんなそうなんだと思う。
だけどチャンスってそう簡単に転がっていないしね・・
あとジヘの友達で、自由に生きてたっぽい子が、結婚して子供を産んだら保守的になるのもわかる!って思った。自由に育てたいと思いつつも、子供の将来を考えたら早く勉強させてみんなより前に進んで欲しいと思うのも当然。だからこそ韓国の受験熱は凄いんだろうな。
韓国の小説を読んでいると、やっぱり色々国民の中に刻み込まれた出来事ってあるんだなあと思った。
有名な百貨店が建築不備で崩れた事件とか、色んな小説に出てくるもんね。
あと元大統領であるノ・テウさんとか、チョン・ドゥファンさんの記述も多い。この大統領のことは、韓国ドラマ「第5共和国」を見て知りました。そのドラマで、イ・ドクファ氏が、チョン・ドゥファン元大統領の役を演じてたんですが、とにかくインパクト強い、おじさま俳優ばかり出演する濃いドラマで・・。この前、途中で離脱しちゃったんですが、「7人の脱出」っていうドラマで、イ・ドクファ氏がまだまだ元気に演じていて嬉しくなりました。この俳優さん、シリアスからコメディまでいける豪快な感じで、見ているだけで元気が出ます。

主人公のキム・ジヘという名前が、クラスにも何人もいるというのが興味深いな~
そういや今30代くらいで、ジヘという名前の女優さんも多いですね。
韓国人の友達で、アラムちゃんっていう名前の子がいるんですが、その名前も多いって書かれていて、そうなのかと勉強になりました。