重松清「希望ヶ丘の人びと」
重松清「希望ヶ丘の人びと」を読みました。

- 希望ヶ丘の人びと
- 小学館
- 本
面白かったー!
重松清さんの作品は、学校の国語や道徳の教科書に採用されるような、とにかく正しいということを追求したものが多いようなイメージがあります。
今回も、特別なことはないけれど、日々生活に密着した小さな幸せとは何か、ということを考えさせてくれるような話でした。
もう最初から、小学生と中学生の子供を連れたお父さんが主役なんだけど、奥さんを亡くしたという設定で・・・特に子供たちが健気というのか、お母さんが小さい頃に過ごした希望ヶ丘に住んでみたいという気持ちから引っ越してきます。
いや、もうこの設定、泣けるでしょう・・
この希望ヶ丘の設定が、私が住んでいるところも新興住宅地だということもあり、色々重なるところがあって、あ~わかるなあというところが多い。
昔から住んでいた人たちのエリアと、新興住宅地の人たちのエリアにある見えない格差とか、みんな同じであることを求める風潮があるとか。
息苦しさを自分も感じるところがあるから、うんうんとうなずいて読みました。

あと登場人物は、根っからの善人だけじゃないっていうのもいい。
ちくりをする奴ってマイナスイメージしかないと思っていたけれど、この小説の中だと、でも憎めないというのか、人間ってそんなもんだよねと思わせられる不思議。
塾の本部から派遣されてくる若者も、調子のいいこと言って、でも嫌味で・・だけど、それでもみんな生きてるんだよねと身近に感じる。
そこが重松作品の魅力なんだろうな。
たぶん作者さんの年齢もあるんだけど、懐メロの部分だけがわからないのが惜しかった。
矢沢永吉さんって名前は知っているし、ロックンローラー?っていうのも何となく知っているけど・・あとそのあたりのヒット歌手もほとんどわからなかったので、わかる世代が読めばもっと刺さったのかもしれないと思いました。
