ヘルマン・ヘッセ「メルヒェン」

ピーナッツ

ヘルマン・ヘッセ「メルヒェン」を読みました。

メルヒェン(新潮文庫)
メルヒェン(新潮文庫)
新潮社
Digital Ebook Purchas

面白かったです。


ファンタジーはあまり好きではないし、古典文学ってなぜか敷居が高いイメージがあったので、かなり前に購入したまま本棚で眠っていた作品。

英米文学は馴染みがあるけど、何となくドイツ文学とかロシア文学って翻訳本を読んでも難しい気がして。

だけどこの作品は翻訳が高橋健二さんだということもあり、読みやすかったです。


面白いと感じたのは、「アウグスツス」「別な星の奇妙なたより」「ファルドゥム」。

「夢のから夢へ」は読んだものの、さっぱりわからなかったです^^;


解説を読むと、ヘッセが戦争に対して抑圧された気分を抱えながら書いたということがわかるので、より理解しやすい。

面白いのは、時代が変わっても、人間は抑圧されているんだなあということ。

戦争みたいな重大な事案ではないにしろ、現代人も様々なストレスを抱えているので、これらの作品を読みながら共感できるところも多々ありました。


「アウグスツス」を読んで、やっぱり私は愛されるよりも愛するということが好きだなと再確認しました。

そして自主性がどれだけ重要で貴いことかということね。


短編集で読みやすいし、読んでいる間は静かな気持ちになれるので、疲れている人にぼーっとしながら読んで欲しい作品です。

田中俊行「紙呪」

ピーナッツ

田中俊行「紙呪」を読みました。

紙呪
紙呪
二見書房
Digital Ebook Purchas

まあまあでした。

サクっと読了。


私はオカルトなどそっち系の本も大好きなんだけど、信じてるわけではないので^^;

色んな方から聞いた紙にまつわる呪術の話が収録されてましたが、特に怖いと感じるのはなかったかな。

本編よりも、作者さんの「はじめに」で、古本に書き込まれたものが好きというところに共感。

前にも書いたけど、私も結構そういうの好きです。

ただ自分は絶対に本に書き込みとかしないな・・教科書にもラインとか引くの絶対に嫌だった。真っ白が一番よ。


紙だけじゃなく物に呪いなど強い気持ちが込められるというのは納得してないけど、自分は重度のぬいぐるみすとでもあるので、何となくわかるような気もする。

結局は人間の心が齎すものなんだよね。


そういや以前、ご近所を中傷する「中傷ハガキ」なるものが届いたことがあります。

あそこの奥さんは「盗人で嘘つきで万引き」という内容でした。

住宅街に住んでいるんだけど、おそらく同じ町内会に属する住人たちに送っていたんだと思います。

その中傷された家の人は、特別悪い人でもないので、逆恨みされたのかなあ。

少し前に車の事故を起こしたことがあったようなので、それ関係かも。

でもこんな中傷ハガキが送られてきたよって知らせたら、嫌な気持ちになるだろうし、あれこれ悩んでしまいそうだと思ったので、処分しておきました(半年くらいは一応保管してた。警察に相談することになったら証拠になるかなって思って)

ご近所に噂好きで話好きなおばあさんがいるんだけど、たぶんその人にも届いているだろうから、直接知らせに行ってそうな気もするけど・・・余計なことは知らない方がいいのに。

何が怖いって、関係のない自分のような人にまで、あの奥さんは嫌な女なんだよって知らせようとする人間の心よ!定規を使って書いたカクカクした文字でさ、書いている間、何を考えていたんだろうって想像すると怖すぎる。

私なんて単純な人間だから、コソコソせずにはっきり相手に言って解決したらいいのにって思うんだけど。それかその嫌な存在を頭から消去して、自分の世界から消したらいいのにな。

J.D.ロブ「邪悪な死者の誤算 イヴ&ローク46」

ピーナッツ

J.D.ロブ「邪悪な死者の誤算 イヴ&ローク46」を読みました。

邪悪な死者の誤算 イヴ&ローク46 (ヴィレッジブックス F ロ 3-48 イヴ&ローク 46)
邪悪な死者の誤算 イヴ&ローク46 (ヴィレッジブックス F ロ 3-48 イヴ&ローク 46)
ヴィレッジブックス

面白かったー!


イヴ&ロークシリーズ46弾。


仕事仲間だけれど、何となく友達未満の状態であるドゥインターと食事をするため、ロークの持ち物の1つであるバーに向かうイヴ。

そこでドゥインターと交流を深めていると、腕から血を流した女性が現れ、すぐに助けに向かうがすでに手遅れで・・という話。


最後まで犯人がわからないパターンだったけど、言ってみれば犯人はモブキャラだったので、それほど意外性はなかった。

だけど加害者かもしれないとイヴに疑われる人たちが、みんな揃いも揃っていい人ばかりだったので、この人達の中から犯人がいなくて良かったと思いました。


そして犯人よりも、1番目の被害者のキャラがある意味濃すぎた。

殺されても全く同情されない背景があったんだけど、ここまでソシオパスな人も珍しい。

少女時代に彼氏の実家に遊びに行ってみんなと仲良く過ごしながらも、翌朝、そのまま一切連絡もない状態でさよなら~ってある意味凄いよね・・

でも日本でも行方不明者の中には、そういう人が少なからずいると聞いたことがある。

電車に乗ってて、見知らぬ駅に降り立って、あ・・もうこれまでの生活にさよならしたいってフェードアウトするらしい(自殺とかではなく、新天地で新生活を始めるらしいです)

人間ってそういう人もいるんだなあ。


イヴがドゥインターが苦手なのが少しわかる・・

私もなぜかわからないんだけど、少し苦手なんだよね。

だけどモリスとドゥインターは恋愛感情はないんだけど、気持ちの上では結びつきが強そうだし、これからもよく登場しそう。ドゥインター、本当に悪い人じゃないし、仕事もできるし・。なんで苦手なのか自分でもわからない。


今回は、ロークが、自分の父を殺したのがサマーセットだと気づきました。

そういやイヴは結構早い段階で気づいてたんだよね。

サマーセットとの間で暗黙の了解が成立してた。

このシリーズが好きだなと思うのは、主要キャラがことごとく口が固いこと。

何でもペラペラ話す人っていうのは信用ならない。

ナディーンもトリーナも、そしてサマーセットとイヴも、絶対に言ってはいけないラインをわかっているところが信頼できる。

J.D.ロブ「凍てつく夜の戯曲 イヴ&ローク45」

ピーナッツ

J.D.ロブ「凍てつく夜の戯曲 イヴ&ローク45」を読みました。

凍てつく夜の戯曲 イヴ&ローク45 (ヴィレッジブックス F ロ 3-47 イヴ&ローク 45)
凍てつく夜の戯曲 イヴ&ローク45 (ヴィレッジブックス F ロ 3-47 イヴ&ローク 45)
ヴィレッジブックス

面白かったー!


イヴ&ロークシリーズ、第45弾。


パーティーの帰りに、明らかに犯罪に巻き込まれたとみられる女性を助けたイヴとローク。

二人が被害女性を保護した後、彼女の家に行くと、旦那が殺されていることがわかる。同じような事件が過去にも起こっていて・・という話。


今回は犯人は誰なのかわからずに進行していくパターンでした。

このシリーズは、最初から犯人がわかっているタイプもあるけれど、どちらも面白い。

中盤に登場した奴が怪しいと思ったら、やはりでした。

でも他にも怪しい人がいたりなんかして、推理する部分も楽しめました。

犯人は変な執着心を持つ奴でしたが、こういう奴は捕まった後も、親戚一同苦労するだろうな・・


イヴは小さい頃に凄惨な事件に巻き込まれたことがあり、それが今もトラウマになって悪夢を見るなどマイナス方面に引きずられることがあるんだけど、少しずついい方向に向かっているような気がします。

今回も、イヴと同じ状況になったダフネという女性を絡めて、あの事件は正当防衛だったと心の整理をつけることができた。これでまた一歩進めた状態になったので、話の展開がうまいなあと唸ってしまいました。


あと良かったのが、もしかして犯人を家に招き入れてしまったかもしれないと落ち込む参考人に対して、きっぱりとそういうことはないと言い切るイヴの強さ。

参考人の言動や態度など機微を決して見逃すことがなく、早い段階で犯人の目星はついているんだけど、軽はずみな行動は絶対にとらないところ。

イヴは生まれつきの警官ですね・・


そして被害にあった女性たちが、お互いに慰め合ったり、前向きに頑張っていこうというところも好きだった。

女性が強く描かれているのも、J.D.ロブ作品の魅力だと思うので、そういうところも好きです。

私、「ビンボ」っていう表現、知らなかったわ・・


シリーズを続いて読みます。

高木彬光「捜査検事」

ピーナッツ

高木彬光「捜査検事」を読みました。

捜査検事 (角川文庫 緑 338-19)
捜査検事 (角川文庫 緑 338-19)
KADOKAWA

面白かったです!


奥付を見て、高木彬光さんって大正生まれの方だと知りました。

この本はなんと昭和51年発売とのことなので、ほぼ50年前のもの。

古い作品ですが、面白かったです。


近松検事が活躍する短編集。

何分古い作品ということもあり、女性に対する偏見も多いのですが、それも含めて時代を感じることができるので楽しかったです。

不倫する主婦のことをよろめき主婦っていうのね^^

あと女性に対して純潔をここまで求めるのか~時代だなあ。


事件そのものはツッコミどころも多かったんですが、最後に近松検事が懐深い気持ちで事件を納めてくれるのよ。そこが読みどころでもあるので、殺人事件の後でも、なぜか爽快な気分(解説の西村京太郎さんも書いてましたが)


私たぶんこの本は古本屋さんで購入したと思うんだけど(沢山購入するので覚えてない)、この作品の中に、近松検事が「百人の罪人を見のがしても、無罪の一人を罰するな」というセリフがあるのね。

それを前の持ち主が余程気に入ったのか、線を引いて、その上に二重丸まで書いてるの(笑)

よほど読者さんの心を揺さぶるものがあったんだろうね。

古本ってこういうことが有るから面白い。